2017年06月13日

俗情論 C日本人に「主権者意識」あり得ず

 朝日新聞、6月11日の内田樹の記事。(資料)
 共謀罪についての、日本人の国民的な無関心状況について、内田はこう言う。

《注目すべきは、特定秘密保護法、安全保障法制を施行させ、いままさに「共謀罪」の成立を図り、そして憲法改正をめざす流れだ。立憲主義を空洞化させ、独裁化を進めているのは明らかなのに、有権者の半数ほどが現政権を支持している。
 多くの日本国民には主権者としての意識がない。バブルが崩壊し、国連安保理の常任理事国入りに失敗した日本は、国家目標を見失った。理想を冷笑するニヒリズム(虚無主義)も広がっている。そんな人たちに、僕は日本の主権を回復しようと訴えたい。沖縄の米軍基地を縮小し、不平等な日米地位協定を改定する。誰もが共有できる国家目標を掲げ、ニヒリズムに対抗していかなければならない。》

 しかし、内田は、ある意味では承知の上で言っているのだろうが、日本人の歴史において、いつ、主権者意識などというものがあったのだろうか。
 古代から、奈良・平安、鎌倉・室町、戦国、徳川、そして明治維新から、大東亜戦争の敗北まで、さらには戦後の徹底した対米従属まで、いつ、どこに、主権者意識の萌芽があったのか。欠片さえもなかったのではないか。
 その象徴が天皇制という制度である。
 これほど日本人における主権者意識の欠如を示すものはない。
 倭人というのは、从う人、という意味であるという。
 徹底した従属者性、被治者性、これが日本人だ。良くも悪くも。
 私は、こういう日本人の本質を、必ずしも悪いものとは思わない。「和を以て貴しとなす」という和=倭の特質が今も続いているということ。その証明に他ならない。とすれば、それに文句のつけようもないではないか。
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(資料)
 朝日新聞、6月11日の『(問う「共謀罪」学問の世界から)政府の狙いは隣人を密告するマインド 哲学者・内田樹さん(66)

 隣人に目を光らせ、お上に告げ口する。「共謀罪」がある社会とは――。
     ◇
 仏紙ルモンドが5月下旬、「共謀罪」法案について報道した。懸念を表明する国連の特別報告者に日本政府が抗議したことに触れ、「驚くべき反応である」「日本は国際法の順守をこれまで強く訴えてログイン前の続ききていた」と非難した。安倍政権の支持率は落ちなくても、日本の国際社会の評価は下がりっぱなしだ。
 この法案に「いつか来た道」を懸念する声もある。でも、僕はそう簡単に再来するとは思わない。戦前の警察組織とは敗戦で断絶しているし、思想警察をつくって社会全体を監視するにはヒトもカネも足りない。反基地運動や労働運動を一網打尽にするために使おうか、という程度だろう。
 政府が狙うのは「隣人を密告するマインド」の養成だ。「共謀罪」を必要とする前提には、テロリストだけではなく、外国の意をくんで政府の転覆を謀る「反日分子」がいるという認識がある。政府には網羅的に検挙する能力がない。ならば、お上に代わって我々国民が摘発しよう、となる。
 政府を批判するメディアや市民のバックに、中国やコミンテルンがいると本気で信じている人もいる。法案が成立した瞬間、自分たちの世界観が承認されたと思い、密告したり、排除したりする動きが出てくる。
 注目すべきは、特定秘密保護法、安全保障法制を施行させ、いままさに「共謀罪」の成立を図り、そして憲法改正をめざす流れだ。立憲主義を空洞化させ、独裁化を進めているのは明らかなのに、有権者の半数ほどが現政権を支持している。
 多くの日本国民には主権者としての意識がない。バブルが崩壊し、国連安保理の常任理事国入りに失敗した日本は、国家目標を見失った。理想を冷笑するニヒリズム(虚無主義)も広がっている。そんな人たちに、僕は日本の主権を回復しようと訴えたい。沖縄の米軍基地を縮小し、不平等な日米地位協定を改定する。誰もが共有できる国家目標を掲げ、ニヒリズムに対抗していかなければならない。(聞き手・岩崎生之助)
posted by tabatabunsi at 22:11| Comment(1) | 俗情の日本人論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本人はサイレント・マジョリティーなのです。いつも、どんな時も。
必要な時に、必要なことを言わなければいけない・・・・などと、どこかの政治家に言われましても、それはあなたたちの役目でしょうと、藤井4段の勝敗に心奪われる。そういう幸福に生きることに世界一長けた民族なのです。
Posted by ひがむらネオシーダー at 2017年07月17日 17:56
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